問 題
利尿薬に関する記述のうち、正しいのはどれか。2 つ選べ。
- トリアムテレンは、遠位尿細管と集合管の Na+ チャネルを遮断して Na+ の再吸収を抑制することで、管腔への K+ の排出を増加させる。
- トルバプタンは、集合管のバソプレシン V2 受容体を遮断することで、水の排泄を増加させる。
- インダパミドは、ヘンレ係蹄上行脚の Na+ – K+ – 2Cl- 共輸送体を阻害することで、Na+ の再吸収を抑制する。
- エプレレノンは、遠位尿細管と集合管のミネラルコルチコイド受容体 (アルドステロン受容体) を遮断することで、Na+ の再吸収と K+ の排泄を抑制する。
- アゾセミドは、遠位尿細管の Na+ – Cl- 共輸送体を阻害することで、水の再吸収を抑制する。
正解.2, 4
解 説
選択肢 1 ですが
トリアムテレンは、K 保持性利尿薬です。(参考 103-35 バソプレシン V2受容体を遮断する利尿薬)。管腔への K+ の排出を増加させてしまうと、K+ 排出増加で、K 保持しないと判断できるのではないでしょうか。作用機序が Na+ チャネル遮断である点、及び、作用部位として遠位尿細管、集合管 という部分は妥当です。(104-156 利尿薬の主な作用機序及び作用部位の組合せ)。選択肢 1 は誤りです。
選択肢 2 は妥当です。
トルバプタン(サムスカ)は、非ペプチド性バソプレシン受容体拮抗薬です。代表的 V2 受容体遮断薬であり、利尿作用を示します。
選択肢 3 ですが
インダパミド(ナトリックス)は、チアジド系類似の降圧利尿薬です。チアジド系利尿薬と同様に遠位尿細管で「Na+ – Cl-」共輸送体を阻害します。「Na+ – K+ – 2Cl- 」共輸送体を阻害するわけでは、ありません。選択肢 3 は誤りです。(101-158 利尿薬の作用機序)。
選択肢 4 は妥当です。
エプレレノンについての記述です。
選択肢 5 ですが
アゾセミドはループ利尿薬です。ヘンレのループにおける Na+ – K+ - 2Cl– 共輸送系を抑制することにより利尿作用を示します。(参考 103-35 バソプレシン V2受容体を遮断する利尿薬)。「Na+ – Cl-」共輸送体ではありません。選択肢 5 は誤りです。
以上より、正解は 2,4 です。
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