薬剤師国家試験 第103回 問35 過去問解説

 問 題     

バソプレシン V2 受容体を遮断する利尿薬はどれか。1つ選べ。

  1. スピロノラクトン
  2. ヒドロクロロチアジド
  3. アゾセミド
  4. トリアムテレン
  5. トルバプタン

 

 

 

 

 

正解.5

 解 説     

選択肢 1 ですが
スピロノラクトンは、K 保持性利尿薬です。主に遠位尿細管に作用しアルドステロン受容体に結合することにより、Na+ – K+ 交換系を抑制します。V2 受容体遮断ではありません。よって、選択肢 1 は誤りです。

選択肢 2 ですが
ヒドロクロロチアジドは、チアジド系利尿薬です。この薬の特徴は、近位尿細管腔に分泌され、遠位尿細管前半部に作用するという点です。Na+ – Cl共輸送系を抑制することにより利尿作用を示します。V2 受容体遮断ではありません。よって、選択肢 2 は誤りです。

選択肢 3 ですが
アゾセミドはループ利尿薬です。ヘンレのループにおける Na+ – K+ - 2Cl 共輸送系を抑制することにより利尿作用を示します。V2 受容体遮断ではありません。よって、選択肢 3 は誤りです。

選択肢 4 ですが
トリアムテレンは、K 保持性利尿薬です。トリアムテレンはアルドステロンが分泌されていない人に対しても利尿効果を示すことが知られています。そのため、作用機序として抗アルドステロン作用に加えて尿細管に対して直接作用があると考えられています。直接作用とは具体的には Na+ チャネル遮断です。V2 受容体遮断ではありません。よって、選択肢 4 は誤りです。

選択肢 5 は、正しい記述です。

以上より、正解は 5 です。
類題 99-158
参考 薬理学まとめ 利尿薬

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