薬剤師国家試験 第103回 問34 過去問解説

 問 題     

血管平滑筋細胞においてサイクリックAMP(cAMP)を増やすことで血管拡張作用を示すのはどれか。1つ選べ。

  1. カンデサルタン
  2. カルペリチド
  3. ボセンタン
  4. ベラプロスト
  5. プラゾシン

 

 

 

 

 

正解.4

 解 説     

選択肢 1 ですが
カンデサルタンは、AT1 受容体遮断薬です。血管拡張を引き起こします。アルドステロンの分泌も、抑制します。血管平滑筋細胞における cAMP を増やす薬ではありません。よって、選択肢 1 は誤りです。

選択肢 2 ですが
カルペリチドは、心房性ナトリウム利尿ペプチド製剤です。心房性ナトリウム利尿ペプチド(ANP:atrial natriuretic peptide)は血管拡張作用及び利尿作用を持ちます。カルペリチドは遺伝子組換え ANP 製剤です。血管及び腎臓における ANP 受容体に作用して膜結合型グアニル酸シクラーゼを活性化します。その結果細胞内 「cGMP」 が増加し血管拡張、利尿作用が引き起こされます。「cAMP」 を増やす薬ではありません。よって、選択肢 2 は誤りです。

ボセンタンは
エンドセリン(ET)受容体拮抗薬です。ET 受容体には、ETA 、ETB というサブタイプがあります。ボセンタンは、これらの受容体に対し非選択的に作用します。血管平滑筋細胞におけるcAMP を増やす薬ではありません。よって、選択肢 3 は誤りです。

選択肢 4 は、正しい記述です。

選択肢 5 ですが
プラゾシンは、α1 選択的遮断薬です。前立腺肥大に伴う排尿障害等に用いられます。血管平滑筋細胞における cAMP を増やす薬ではありません。よって、選択肢 5 は誤りです。

以上より、正解は 4 です。
類題 99-157
参考 薬理 2-4 2)

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