薬剤師国家試験 第107回 問63 過去問解説

 問 題     

子宮内膜症の治療に用いる薬剤はどれか。1つ選べ。

  1. エチニルエストラジオール錠
  2. エンザルタミド錠
  3. オキシトシン注
  4. リュープロレリン酢酸塩注
  5. レトロゾール錠

 

 

 

 

 

正解.4

 解 説     

105-186 をしっかりと思い出せれば一瞬で解答できて簡単です。
とはいえ、どの薬もなんとなく見覚えがあり、あれどれだろう・・・?と不安になる問題ではないでしょうか。本問の演習を通じて、1 つ 1 つの薬の名前に対して、しっかり一言で思い出せるように、基礎知識を 確実に詰めておきましょう!

選択肢 1 ですが
エチニルエストラジオールは、合成卵胞ホルモンです。卵胞ホルモンは「女性ホルモン」とも呼ばれたりするものです。これをまず確実に思い出したい所です。

さらに、子宮内膜症は、女性ホルモンの作用 過剰方向です。これも確実に理解しておきたい基礎知識です。従って、子宮内膜症に対して、合成された女性ホルモンを更に加えるのはおかしい、と判断したい選択肢です。

エチニルエストラジオールは
前立腺がん、更年期障害などに用いられます。又、経口避妊薬として黄体ホルモンと併用されます。

選択肢 2 ですが
エンザルタミド(イクスタンジ)は、前立腺がん治療薬です。前立腺がん細胞のアンドロゲン受容体を遮断することでがん細胞の増殖を抑制する薬です。(103-163)。子宮内膜症の治療薬ではありません。選択肢 2 は誤りです。

選択肢 3 ですが
オキシトシンは、妊娠末期の子宮平滑筋を収縮させる脳下垂体後葉ホルモン薬です。(106-34)。子宮内膜症の治療薬ではありません。選択肢 3 は誤りです。

選択肢 4 は妥当です。
リュープロレリンは、GnRH アゴニストです。ちなみに GnRH は、LHRHとも呼ばれます。

選択肢 5 ですが
レトロゾール(フェマーラ)は、閉経後乳がん治療薬です。アロマターゼ阻害薬です。(101-34)。

以上より、正解は 4 です。

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