薬剤師国家試験 第107回 問64 過去問解説

 問 題     

急性胆管炎に関する記述のうち、正しいのはどれか。1 つ選べ。

  1. 左下腹部に痛みを生じる。
  2. 発熱を伴うことはまれである。
  3. 血中白血球数が減少する。
  4. 血清 ALP (アルカリフォスファターゼ) 活性が上昇する。
  5. 血中間接ビリルビン値が上昇する。

 

 

 

 

 

正解.4

 解 説     

胆管は、肝臓から十二指腸まで胆汁が通る管です。

選択肢 1 ですが
肝臓、胆のう、胆管の位置がある程度イメージできれば、右側ではないかと判断できると思われます。選択肢 1 は誤りです。

選択肢 2,3 ですが
急性の炎症であれば、発熱、白血球数増加と考えられます。選択肢 2,3 は誤りです。

選択肢 4 は妥当です。
ALPは、alkaline phosphatase の略です。ほとんどの臓器に含まれますが、肝臓などにおいて高活性です。又、胆汁に多く含まれています。胆道系疾患の指標として知られています。(106-57)。

選択肢 5 ですが
間接型ビリルビンが上昇するときは、ビリルビンの生成亢進、すなわち溶血性の疾患が疑われます。(106-56)。選択肢 5 は誤りと考えられます。

以上より、正解は 4 です。

ちなみに、急性胆管炎では
発熱、黄疸、右季肋部痛(「季」が末 を意味し、右肋骨末部の痛みという意味)の Charcot の 3 徴と呼ばれる症状が有名です。

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