薬剤師国家試験 第106回 問37 過去問解説

 問 題     

血清コレステロール低下作用と抗酸化作用を介して抗動脈硬化作用を示すのはどれか。1つ選べ。

  1. ロミタピド
  2. コレスチラミン
  3. クロフィブラート
  4. エゼチミブ
  5. プロブコール

 

 

 

 

 

正解.5

 解 説     

選択肢 1 ですが
ロミタピド(ジャクスタピッド)は、高脂血症治療薬です。適応はホモ接合体家族性高コレステロール血症です。ミクロソームトリグリセリド転送タンパク質(MTP)を阻害することにより脂質転送を阻害し、結果として血漿中 LDL-C 濃度が低下します。抗酸化作用を介して作用を示すわけではありません。選択肢 1 は誤りです。

選択肢 2 ですが
コレスチラミンは、陰イオン交換樹脂です。胆腸管内で、胆汁酸と結合することにより、胆汁性コレステロールの再吸収をおさえ、排出を促進します。(98-35)。抗酸化作用を介して作用を示すわけではありません。選択肢 2 は誤りです。

選択肢 3 ですが
クロフィブラートは、フィブラート系薬です。核内受容体である PPARα に結合することにより、肝臓での中性脂肪合成を抑制すると共にリポタンパク質リパーゼを活性化させることで、血中の中性脂肪値を低下させます。(105-38)。血清コレステロール低下作用を示すわけではありません。選択肢 3 は誤りです。

選択肢 4 ですが
エゼチミブ(ゼチーア)は、小腸コレステロールトランスポーター(NPC1L1)阻害薬です。主にコレステロール値を下げますが、中性脂肪の低下作用もあります。(104-160)。抗酸化作用を介して作用を示すわけではありません。選択肢 4 は誤りです。

選択肢 5 は妥当です。
プロブコールは、肝臓においてコレステロールの異化排泄を促進するほか、抗酸化作用を示します。(102-160)。

以上より、正解は 5 です。

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