98回薬剤師国家試験 問35解説

 問 題     

ペルオキシソーム増殖剤応答性受容体 (PPAR)α を刺激するのはどれか。1つ選べ。

  1. フルバスタチン
  2. エゼチミブ
  3. コレスチラミン
  4. フェノフィブラート
  5. コルヒチン

 

 

 

 

 

正解.4

 解 説     

フルバスタチン(ローコール)は、スタチン、すなわちHMG-CoA還元酵素阻害剤です。
コレステロールの生合成における律速段階である、メバロン酸を合成する酵素を阻害することにより、コレステロールの合成を抑制します。脂質異常症に対して用いられます。横紋筋融解症に注意が必要な薬です。初めて飲む人には、初期症状である、筋肉痛や、赤みがかった尿がでたら、直ちに服用を止め、受診することを伝える必要があります。

エゼチミブ(ゼチーア)は、小腸コレステロールトランスポーター(NPC1L1)阻害薬です。主にコレステロール値を下げますが、中性脂肪の低下作用もあります。

コレスチラミンは、陰イオン交換樹脂です。
胆腸管内で、胆汁酸と結合することにより、胆汁性コレステロールの再吸収をおさえ、排出を促進します。中性脂肪は下げません。

フェノフィブラート(リピディル)は、フィブラート系高脂血症治療薬です。
核内受容体であるPPARα(peroxisome proliferator – activated receptor)に結合することで PPARαを活性化し、様々な作用を介して、主に中性脂肪を低下させます。

コルヒチンは、対症療法に用いられる、痛風治療薬です。
微小管タンパクである、チュブリンに結合することで、細胞分裂を抑制させます。主に好中球に作用し、抗炎症作用を示します。

以上より、正解は 4 です。
類題 101-162
参考 薬理学まとめ 高脂血症治療薬

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