薬剤師国家試験 第98回 問34 過去問解説

 問 題     

急性膵炎の治療に用いられるタンパク質分解酵素阻害薬はどれか。1つ選べ。

  1. プロパンテリン
  2. ウルソデオキシコール酸
  3. フロプロピオン
  4. ニザチジン
  5. ナファモスタット

 

 

 

 

 

正解.5

 解 説     

プロパンテリンは、抗コリン薬です。
胃腸など、内蔵のけいれん性の痛みをとるお薬です。

ウルソデオキシコール酸(ウルソ)は、胆汁の流れをよくする薬です。又、肝臓の炎症を軽減するなどの、肝機能改善作用もあります。

フロプロピオンは、COMT 阻害薬です。
COMT は、カテコラミン分解酵素です。ノルアドレナリンの分解を防ぎ、β受容体を介して Oddi 括約筋という十二指腸の下の方における、総胆管及び膵管の出口の筋肉を弛緩させます。その結果、胆汁や膵液の十二指腸への排出を促進します。結果として、胆道や膵臓のけいれん性の痛みをとります。

ニザチジン(アシノン)は、ヒスタミン受容体拮抗薬です。
胃酸の分泌を抑えます。

ナファモスタットは、タンパク質分解酵素阻害薬です。
急性膵炎の治療に用いられます。

以上より、正解は 5 です。
類題 106-164
参考 薬理学まとめ 肝臓疾患治療薬膵臓疾患治療薬

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