国家公務員総合職(化学・生物・薬学)R1年 問70解説

 問 題     

イネいもち病菌とその防除に関する次の記述の ㋐、㋑、㋒ に当てはまるものの組合せとして最も妥当なのはどれか。

「イネいもち病菌は、イネ葉面上で胞子が発芽して付着器を形成し、付着器細胞壁の内側に ㋐ 層を形成することで物理的強度を保ち、約 80 気圧の膨圧をかけ、葉表皮を物理的に貫通してイネ体内に侵入・感染する。

イネいもち病の防除には、当初 ㋑ 剤が使用されていたが玄米中の残留問題などで使用が禁止され、現在はトリシクラゾールなどの ㋐ 生合成阻害剤や ㋒ などの農業用抗生物質が使用されている。」

 

 

 

 

 

正解.5

 解 説     

㋐ ですが
イネいもち病菌の直接侵入には、付着器に特有の成分である「メラニン」合成が必要です。トリシクラゾールなどは、メラニン生合成阻害剤です。正解は 4 or 5 です。参考)一般職 農学 H27no27

㋑ ですが
有機ヒ素は毒性が知られていません。「残留問題などで使用禁止」という記述から「有機水銀」と考えられます。

㋒ ですが
イネいもち病に用いられる農業用抗生物質はカスガマイシン(カスミン)です。

以上より、正解は 5 です。

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