公務員試験 H27年 国家一般職(農学) No.27解説

 問 題     

病原体の化学的あるいは物理的防除に関する記述として最も妥当なのはどれか。

1. 殺菌剤は使用目的や剤型などによって分類できる。使用目的による分類には、散布剤、くん煙剤、ガス剤などがある。剤型による分類には、有機塩素剤、有機リン剤、カーバメート剤などがある。

2. イネいもち病菌の直接侵入には、付着器に特有の成分であるミオシンの合成が必要であり、トリシクラゾール剤などは、これを阻害することによりいもち病菌の感染を抑制する。一方、病原体に直接作用せずに病気に対する植物の抵抗性を誘導する薬剤は、浸透移行性農薬と呼ばれる。

3. 熱水土壌消毒は、夏季の高温時にハウスを密閉し、土壌水分を飽和状態にして地温を上昇させる方法である。この消毒法は蒸気消毒や火炎消毒に比べて、有用微生物の死滅や土壌の物理性への影響が生じやすい。

4. 乾熱消毒は、通風乾燥機を用いて種子を比較的高温で長時間処理し、病原体を死滅又は不活化させる方法である。菌類(糸状菌) 細菌には有効であるがウイルス線虫に対しては効果がない。乾熱消毒した種子は一般に発芽率が向上する。

5. 多くの菌類(糸状菌)の胞子形成には、波長370nm 以下の紫外線が必要なことが知られている。この性質を利用して、紫外線除去フィルムでハウスを被覆することにより病気の発生や拡大を防ぐことができる。

 

 

 

 

 

正解 (5)

 解 説     

選択肢 1 ですが
散布剤、くん煙剤、ガス剤といった分類は「剤型」による分類です。有機塩素剤といった分類は、化学構造に基づいた分類で、使用目的による分類ともいえると思われます。よって、選択肢 1 は誤りです。

選択肢 2 ですが
トリシクラゾールの作用機序は「メラニン」の生合成阻害です。ミオシンではありません。浸透移行性農薬の一種です。後段のような薬剤は「抵抗性誘導剤」と呼ばれます。よって、選択肢 2 は誤りです。

選択肢 3 ですが
熱水土壌消毒は、「90~95℃のお湯を散布する消毒法」です。よって、選択肢 3 は誤りです。

選択肢 4 ですが
乾熱消毒は、ほぼ全ての病原体に有効です。乾熱消毒後、発芽率が低下することがあります。よって、選択肢 4 は誤りです。

選択肢 5 は、妥当な記述です。

以上より、正解は 5 です。

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