公務員試験 H27年 国家一般職(農学) No.28解説

 問 題     

害虫の殺虫剤抵抗性に関する記述A~Dのうち妥当なもののみを挙げているのはどれか。

A. 殺虫剤抵抗性とは、殺虫剤の長期の連用により、昆虫の個体群がその殺虫剤による死亡率を低下させていく性質のことをいう。抵抗性発達の要因として、遺伝的要因や生物的要因防除的要因がある。

B. 農業害虫で殺虫剤抵抗性が最初に確認されたのは、米国におけるカンキツ類の害虫であるカイガラムシの一種で出現した、石灰硫黄合剤に対する抵抗性であるとされている。その後、農業害虫、衛生害虫を中心に400種以上の害虫で、殺虫剤抵抗性が記録されている。

C. 殺虫剤抵抗性の発達を防ぐには、害虫の発生が経済的被害許容水準に達すると予測されるより早期に使用することや、作用機作の同じ複数種類の殺虫剤を組み合わせて用いることが有効である。

D. 殺虫剤抵抗性が発達してくると農薬の 50% 致死濃度を表す LC50 や 50% 致死薬量を表す LT50 の数値の減少がみられる。

1. A B
2. A C
3. B C
4. B D
5. C D

 

 

 

 

 

正解 (1)

 解 説     

記述 A,B は、妥当な記述です。

記述 C ですが
殺虫剤をできるだけ使わず、使用する場合は抵抗性が生じにくいよう、作用機序の「異なる」複数の殺虫剤を組み合わせることが有効とされています。よって、記述 C は誤りです。

記述 D ですが
抵抗性が発達すると「高い濃度でないと、50% が死なない」ようになるため、数値は「上昇」します。減少ではありません。

以上より、妥当な記述は A,B です。正解は 1 です。

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