国家公務員総合職(化学・生物・薬学)R1年 問69解説

 問 題     

農薬開発につながった天然物に関する記述㋐、㋑、㋒のうち妥当なもののみを全て挙げているのはどれか。

㋐ カラバー豆に含まれるフィゾスチグミンは、昆虫体内でイオン化すると作用点に到達できず殺虫活性を示さないが、アセチルコリンエステラーゼ活性阻害作用があることから、カーバメート系殺虫剤のリード化合物となった。

㋑ タバコに含まれるニコチンは、昆虫体内ではイオン化してニコチン性アセチルコリン受容体(nAChR)に作用するが、哺乳類体内ではイオン化せずnAChR に作用しないことから、選択毒性の高いネオニコチノイド系殺虫剤の開発につながった。

㋒ 環形動物イソメに含まれるネライストキシンは、昆虫神経細胞のc‒アミノ酪酸受容体に作用する。ネライストキシンを原型として多くの誘導体が化学合成され、その中からニカメイチュウに殺虫効果があるカルタップが開発された。

1.㋐
2.㋐、㋒
3.㋑
4.㋑、㋒
5.㋒

 

 

 

 

 

正解.1

 解 説     

㋐ は妥当な記述です。

㋑ ですが
Ach 受容体の一種が「ニコチン受容体」であることを考えると、ニコチンが「哺乳類体内で、nAchR に作用しない」というのは妥当ではないと判断できるのではないでしょうか。㋑ は誤りです。

㋒ ですが
ネライストキシンは、Ach 受容体に作用するアンタゴニストの一種です。γーアミノ酪酸(GABA) 受容体に作用するものではありません。㋒ は誤りです。

以上より、正解は 1 です。

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