国家公務員総合職(化学・生物・薬学)R1年 問68解説

 問 題     

大気汚染物質に関する記述 ㋐、㋑、㋒ のうち妥当なもののみを全て挙げているのはどれか。

㋐ 大気中に浮遊している粒径 2.5 μm 以下の粒子は浮遊粒子状物質と定義され、環境基準※「1時間値の1 日平均値が 0.10 mg/m3 以下であり、かつ、 1 時間値が 0.20 mg/m3 以下であること」が設定されている。

㋑ 多環芳香族炭化水素(PAH)の発生源推定には、一般に PAH の組成比が用いられる。フェナントレンに対するメチルフェナントレンの濃度比が高い場合、発生源は、化石燃料の燃焼によるものが大きいと推定される。

㋒ オゾンやパーオキシアセチルナイトレートなどの光化学オキシダントは、窒素酸化物と炭化水素の光化学反応により大気中で生成される酸化力の強い二次汚染物質である。※ ここでの環境基準は環境省が定める大気汚染に係る環境基準である。

1.㋐
2.㋐、㋑
3.㋐、㋒
4.㋑、㋒
5.㋒

 

 

 

 

 

正解.5

 解 説     

㋐ ですが
「大気中に浮遊する粒径 2.5 μm 以下の粒子」は「PM 2.5」です。浮遊粒子状物質の定義における粒径は 10 μm 以下です。ちなみに、環境基準については正しい記述です。㋐ は誤りです。これにより、正解は 4 or 5 です。㋒ は妥当な記述です。

㋑ ですが
多環芳香族炭化水素類(Polycyclic AromaticHydrocarbons, PAHs)は、ベンゼン環を 2 個以上
もつ化合物の総称です。主に物質の不完全燃焼により非意図的に発生します。発生源が化石燃料の燃焼によるものか、森林のようなバイオマス燃料由来かの推定に 14C 含有量を用いたりします。

フェナントレンは、3 つのベンゼン環が結合した多環芳香族炭化水素です。「メチルフェナントレンの濃度比が高い」から、発生源が化石燃料由来という推測は妥当ではないと考えられます。㋑ は誤りと考えられます。

以上より、正解は 5 です。

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