国家公務員総合職(化学・生物・薬学)H27年 問6解説

 問 題     

化学結合に関する次の記述の ㋐ ㋑ ㋒ に当てはまるものの組合せとして最も妥当なのはどれか。

「HCl のように異種原子間に形成される共有結合においては、共有電子対がいずれかの原子に
偏っている。このような結合は、純粋な共有結合ではなく、共有結合とイオン結合の中間的なものと考えることができる。

結合が部分的に帯びているイオン結合性の指標の一つに各原子の ㋐ がある。結合している二つの原子について㋐ の㋑ が大きいほど結合のイオン性が大きいと考えられる。HCl、HI では結合のイオン性が大きいのは㋒ と考えられる。」

㋐ ㋑ ㋒
1. 電気陰性度 差 HCl
2. 電気陰性度 差 HI
3. 電気陰性度 和 HI
4. イオン半径 差 HI
5. イオン半径 和 HCl

 

 

 

 

 

正解.1

 解 説     

イオン結合性の指標となるのは、各原子が持つ電子の引っ張りやすさの指標である「電気陰性度」です。正解は 1~3 です。

電気陰性度の差が大きいほど、片方の原子に電子がより引きつけられるため、イオン性が大きいといえます。一般に、周期表の右上に行くほど電気陰性度は大きいです。そのため、Cl と I では、Cl の方が電気陰性度は大きいです。よって、結合のイオン性が大きいのは HClです。

以上より、正解は 1 です。
参考)物理化学 1-1 1)

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