化学結合のなりたち

「化学結合」とは、原子やイオンの結びつきのことです。これは大きく分類すると4つあります。すなわち
1:共有結合
2:イオン結合
3:金属結合
4:分子間力 です。

まず、共有結合とイオン結合についてですが、共有結合とは、電子を共有することによる結合のことです。イオン結合とは、異符号の電荷をもった2つのイオンの静電的な引き合い(クーロン力)により形成される結合のことです。

多くの結合は、この共有結合と、イオン結合の中間的な結合であるといえます。そこでまず「純粋な共有結合」と「純粋なイオン結合」を紹介します。

まず、純粋なイオン結合の例は NaCl です。次に、純粋な共有結合の例は H-H 結合です。これらの結合に何の違いがあるのでしょうか?

大雑把にいうと、この共有結合とイオン結合の違いとは、結合を構成する各原子の電気陰性度の差です。差が 0.3 以下なら純粋な共有結合、2.0 より大きければ純粋なイオン結合であるといえます。

言い換えると、結合を構成する 2 原子の分極の度合いによって共有結合(分極度合いは低い)とイオン結合(分極度合いは高い)とを分類しているといえます。

 

次に金属結合について述べます。共有結合・イオン結合では「2原子の結合」を見ていましたが、金属の結合は「多原子の結合」です。金属の多原子の集まりを「金属の結晶」と呼ぶことにします。

金属の結晶において、金属原子はいくつかの電子を放出し陽イオンとなります。放出された電子は自由電子と呼ばれる、結晶の中を自由に動きまわる電子として振るまいます。この陽イオンと自由電子の間に働くクーロン力による結合が金属結合です。

 

最後に分子間力を説明します。分子間力は更に
4-1 双極子相互作用
4-2 水素結合(特殊な双極子相互作用ともいえる。)
4-3 ファンデルワールス力 に分類できます。それぞれの詳細を以下に述べます。

双極子相互作用とは、2つの分子間において働く力であり、分極している分子(双極子)間において生じるものです。

水素結合は、X-H (Xは、Hよりも電気陰性度が高い原子)と、同分子又は他分子における原子との引力的相互作用です。要は、特に強い双極子相互作用と考えてよいです。

ファンデルワールス力とは、電荷を持たない原子・分子間に働く力の総称です。力はかなり小さいです。なぜ、そのような力が生じるかといえば、瞬間的におこる、中性電子における電荷の揺らぎが存在することにより、中性分子間においても符号が反対の電気双極子同士の相互作用が生じるからです。

まとめ
・化学結合=原子やイオンの結びつきのこと。大きく4つに分類される。
・共有結合=電子の共有による結合
・イオン結合=異符号の2つのイオン間の結合
・金属結合=金属結晶における、金属原子と自由電子による結合
・分子間力=基本的に中性な分子間の相互作用。双極子相互作用、強い双極子相互作用である水素結合、ファンデルワールス力がある。

演習問題
国試99回 問1

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