国家公務員総合職(化学・生物・薬学)H27年 問7解説

 問 題     

ミカエリス・メンテンの式に従う酵素反応は、酵素分子(E)と基質分子(S)が結合し、酵素基質複合体(ES)が生じてから化学反応が進行し、この複合体から反応産物(P)が遊離した後に酵素は反応初期時の状態に戻ると仮定すれば、次のように表すことができる。

ここで、反応の速度を v、基質濃度 [S] が無限大のときに到達しうる最大速度を Vmax、ES を生成する速度定数を k1、ES が解離する速度定数を k2、P が生成する速度定数を k3、ミカエリス定数を Km = (k2 + k3)/k1 とすると、ミカエリス・メンテンの式は、次のように表すことができる。

酵素の基質結合部位に基質と競合的に結合する物質(競合阻害剤)を加えたときのグラフとして最
も妥当なのはどれか。ただし競合阻害剤を加えていないときのグラフを破線で示している。

1. ㋐
2. ㋑
3. ㋒
4. ㋓
5. ㋔

 

 

 

 

 

正解.2

 解 説     

横軸が 1/[S]、縦軸が 1/v なので、ラインウェーバー・バークプロット(Lineweaver-Burk)です。別名、二重逆数プロットとも呼ばれます。

阻害剤の阻害様式が拮抗阻害、すなわち酵素の同じ活性中心で反応する時は、ラインウェーバー・バークプロットが、y 軸切片は変わらず、傾きがより急になります。妥当なグラフは ㋑ です。

以上より、正解は 2 です。
参考)物理化学 4-1 9)

コメント