心不全の病態生理、治療薬、注意点

心不全とは、全身が必要とする血液の量を送り出せなくなった状態のことです。症状や経過により、急性心不全と慢性腎不全に分類されます。急性心不全は、さらに Forrester 分類に基づき分類されます。慢性心不全は、さらに NYHA 分類に基づき分類されます。

又、障害部位により前方障害と後方障害に分類されます。前方障害とは、心拍出量低下による心不全です。血液を送り始める心臓の部分を前方とみなし、心臓の機能低下による心拍出量低下による心不全を前方障害と呼びます。後方障害とは、血管におけるうっ血による心不全です。血液が送達される末梢を後方とみなし、うっ血して十分に血液が供給されない心不全のことを後方障害と呼びます。

病因として、虚血性心疾患、前負荷増大、後負荷増大、内分泌疾患などがあります。
虚血性心疾患とは、心臓周囲の冠動脈が狭窄、閉塞して、心臓に十分血液が供給されず、心筋が壊死し、心筋収縮力が低下することです。

前負荷増大とは、静脈から心臓へと帰ってくる血液量の増大のことです。これにより、心臓の仕事量が増えて、十分全身に血液を送ることができなくなります。

後負荷増大とは、血管抵抗が増大し、血液を送り出す時の心臓の仕事量が増大することです。

内分泌疾患には、甲状腺機能亢進症などがあります。甲状腺の機能が亢進すると、甲状腺ホルモンが過剰分泌され、心拍数が増加します。これは無理やり心臓を働かせている状況であり、疲れ果ててしまって心不全の原因となります。

急性心不全では、利尿薬や硝酸薬による静脈注射や、強心剤の投与が行われます。慢性心不全では、ACE阻害剤が第一選択薬です。予後改善が知られています。心不全治療薬についての詳細は、薬理学まとめ2-4 2)参照 

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