薬剤師国家試験 第108回 問165 過去問解説

 問 題     

内分泌系に作用する薬物に関する記述のうち、正しいのはどれか。2 つ選べ。

  1. クロミフェンは、GnRH (性腺刺激ホルモン放出ホルモン) 受容体を遮断して、排卵を誘発する。
  2. テリパラチドは、副甲状腺ホルモン受容体を遮断して、骨吸収を抑制する。
  3. プロピルチオウラシルは、ペルオキシダーゼを阻害して、甲状腺ホルモンの生成を抑制する。
  4. ブロモクリプチンは、ドパミン D2 受容体を遮断して、プロラクチン分泌を抑制する。
  5. メテノロンは、アンドロゲン受容体を刺激して、タンパク質同化作用を示す。

 

 

 

 

 

正解.3, 5

 解 説     

選択肢 1 ですが
クロミフェンは、抗エストロゲン薬です。結果的には、フィードバック作用を介してエストロゲン放出が増加します。不妊症の排卵誘発剤として用いられます。(101-34 前立腺がん治療に用いるアンドロゲン受容体遮断薬)。GnRH 受容体遮断薬ではありません。選択肢 1 は誤りです。

選択肢 2 ですが
テリパラチド(フォルテオ(毎日)、テリボン(週一回))は、遺伝子組換え副甲状腺ホルモン誘導体です。この薬は、骨芽細胞の働きを高める骨形成促進剤です。受容体を「遮断」ではありません。また、骨吸収抑制ではありません。(107-32 骨粗しょう症治療薬 テリパラチド の作用点)。選択肢 2 は誤りです。

選択肢 3 は妥当です。
プロピルチオウラシルは、ペルオキシダーゼ阻害薬です。

選択肢 4 ですが
ブロモクリプチンは、麦角アルカロイドの一種です。ドパミン受容体「刺激」薬です。(106-30 wearing – off 現象を改善させる アデノシン A2A 受容体遮断薬。受容体「遮断」薬ではありません。選択肢 4 は誤りです。

選択肢 5 は妥当です。
メテノロン(プリモボラン)はタンパク質同化ステロイドです。作用機序は、アンドロゲン受容体刺激です。(107-164 性ホルモン関連薬)。

以上より、正解は 3,5 です。

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