薬剤師国家試験 第106回 問30 過去問解説

 問 題     

レボドパ含有製剤で治療中のパーキンソン病におけるwearing-off現象を改善させるアデノシンA2A受容体遮断薬はどれか。1つ選べ。

  1. アポモルヒネ
  2. アマンタジン
  3. ブロモクリプチン
  4. イストラデフィリン
  5. ロチゴチン

 

 

 

 

 

正解.4

 解 説     

選択肢 1 ですが
アポモルヒネ(アポカイン)は、イソキノリンアルカロイドの一種です。イソキノリンは、ベンゼン環とピリジン環が縮合した構造を持つ複素環式芳香族化合物の一種です。ピリジン環は、ベンゼンの一個だけ N になってるやつです。アルカロイドとは窒素含有化合物の総称で、塩基性を示します。アポモルヒネ(アポカイン)は、モルヒネから水1分子を取り除いただけの分子ですが、麻薬指定はありません。D1,D2 アゴニストとして作用し、パーキンソン治療薬として用いられます。 A2A 受容体遮断薬ではありません。選択肢 1 は誤りです。

選択肢 2 ですが
アマンタジンは、ドパミン放出を促進することで作用しパーキンソン病の症状改善に用いられます。又、A型インフルエンザ治療薬としても用いられます。(98-30)。A2A 受容体遮断薬ではありません。選択肢 2 は誤りです。

選択肢 3 ですが
ブロモクリプチンは、麦角アルカロイドの一種です。ドパミン受容体刺激薬です。パーキンソン病の治療薬として使用されます。(101-30)。A2A 受容体遮断薬ではありません。選択肢 3 は誤りです。

選択肢 4 は妥当です。
イストラデフィリンは、アデノシン A2A 受容体を遮断することで、運動機能を回復させます。(105-155)。

選択肢 5 ですが
ロチゴチン(ニュープロパッチ)は、パーキンソン病及び、中~高度特発性レストレスレッグス症候群治療薬として用いられます。D 受容体刺激薬です。A2A 受容体遮断薬ではありません。選択肢 5 は誤りです。

以上より、正解は 4 です。

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