薬剤師国家試験 第106回 問29 過去問解説

 問 題     

中枢神経でオピオイドμ受容体を遮断して、モルヒネが引き起こす呼吸抑制を改善するのはどれか。1つ選べ。

  1. ドキサプラム
  2. ナルデメジン
  3. ナロキソン
  4. ナルフラフィン
  5. フルマゼニル

 

 

 

 

 

正解.3

 解 説     

選択肢 1 ですが
ドキサプラムは末梢性呼吸興奮薬です。(104-32)。中枢神経で μ 受容体遮断ではありません。選択肢 1 は誤りです。

選択肢 2 ですが
ナルデメジン(スインプロイク)は、経口末梢性 μ オピオイド受容体拮抗薬です。オピオイド誘発性便秘症に用いられます。(105-205)。中枢神経で μ 受容体遮断ではありません。選択肢 2 は誤りです。

選択肢 3 は妥当です。
モルヒネの解毒薬としてナロキソンは知られています。

選択肢 4 ですが
ナルフラフィン(レミッチ)は、κ-オピオイド受容体作動薬です。血液透析患者の瘙痒症治療に用いられます。(105-297)。選択肢 4 は誤りです。

選択肢 5 ですが
フルマゼニルは、ベンゾジアゼピン系薬物による鎮静の解除及び、呼吸抑制の改善を示す特異的解毒剤です。(104-32)。選択肢 5 は誤りです。

以上より、正解は 3 です。

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