薬剤師国家試験 第108回 問163 過去問解説

 問 題     

肝疾患、膵疾患及び胆道疾患の治療薬に関する記述のうち、正しいのはどれか。2 つ選べ。

  1. デヒドロコール酸は、その抱合体が胆汁の浸透圧を上昇させることで、胆汁中の水分を増加させる。
  2. フロプロピオンは、ムスカリン性アセチルコリン受容体を遮断することで、Oddi 括約筋を弛緩させて、膵液分泌を促進する。
  3. ガベキサートは、外分泌腺から分泌された消化酵素を阻害することで、膵臓の自己消化を抑制する。
  4. ラミブジンは、B 型肝炎ウイルス (HBV) の RNA 依存性 RNA ポリメラーゼを阻害することで、HBV の複製を抑制する。
  5. ソホスブビルは、C 型肝炎ウイルス (HCV) の NS3/4A セリンプロテアーゼを阻害することで、HCV の複製を抑制する。

 

 

 

 

 

正解.1, 3

 解 説     

選択肢 1 は妥当です。
デヒドロコール酸は、催胆薬です。催胆薬とは、肝臓から胆汁分泌を促進させる薬です。

選択肢 2 ですが
フロプロピオンは、カテコール – O – メチルトランスフェラーゼ (COMT) を阻害し、Oddi 括約筋を弛緩させる排胆薬です。(102-34 排胆薬)。「ムスカリン性アセチルコリン受容体を遮断」ではありません。選択肢 2 は誤りです。

選択肢 3 は妥当です。
ガベキサートは、タンパク分解酵素阻害薬です。

選択肢 4 ですが
ラミブジンは逆転写酵素阻害剤です。RNA 依存性 RNA ポリメラーゼ阻害ではありません。選択肢 4 は誤りです。

選択肢 5 ですが
ソホスブビルは、NS5B 阻害薬 です。NS3/4A セリンプロテアーゼ阻害薬ではありません。選択肢 5 は誤りです。(104-158 抗C型肝炎ウイルス薬)。

以上より、正解は 1,3 です。

参考 薬理学まとめ 肝臓疾患治療薬 

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