102回薬剤師国家試験 問34解説

 問 題     

カテコール-O-メチルトランスフェラーゼ(COMT)を阻害し、Oddi括約筋を弛緩させる排胆薬はどれか。1つ選べ。

  1. ポリエンホスファチジルコリン
  2. グリチルリチン
  3. ウルソデオキシコール酸
  4. パパベリン
  5. フロプロピオン

 

 

 

 

 

正解.5

 解 説     

選択肢 1 ですが
ポリエンホスファチジルコリンは、大豆抽出物であるリノール酸系のリン脂質です。高脂質血症改善薬の一種です。胆汁排泄を促進させる排胆薬ではありません。

選択肢 2 ですが
グリチルリチンは、甘草などに含まれる成分です。炎症抑制作用があります。肝機能改善等に用いられます。排胆薬ではありません。

選択肢 3 ですが
ウルソデオキシコール酸は催胆薬の一種です。つまり、肝臓からの胆汁「分泌」を促進します。排胆薬ではありません。

選択肢 4 ですが
パパベリンは、注射剤で用いられる血管拡張、鎮痙剤です。アセチルコリン受容体に対して非競合的拮抗薬として働くことが知られています。(つまり、パパベリン存在下だと、どんなにアセチルコリン濃度をあげても100%の反応が見られないということです。)従って、排胆薬ではありません。

以上より、正解は 5 です。
類題 98-34
参考 薬理学まとめ 肝臓疾患治療薬

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