問 題
制吐薬に関する記述のうち、正しいのはどれか。2 つ選べ。
- メトクロプラミドは、化学受容器引き金帯 (CTZ) のオピオイド μ 受容体を遮断する。
- パロノセトロンは、消化管の求心性迷走神経終末や CTZ のセロトニン 5 – HT3 受容体を遮断する。
- オキセサゼインは、胃粘膜の知覚神経のニコチン性アセチルコリン受容体を遮断する。
- プロメタジンは、胃壁細胞のガストリン受容体を遮断する。
- アプレピタントは、嘔吐中枢や CTZ のタキキニン NK1 受容体を遮断する。
正解.2, 5
解 説
選択肢 1 ですが
メトクロプラミドは、CTZ (化学受容器引き金帯)のドパミン D2 受容体を遮断することで制吐作用を示します。(104-157 制吐薬の作用機序)。CTZ の「オピオイド μ 受容体遮断」ではありません。選択肢 1 は誤りです。
選択肢 2 は妥当です。
パロノセトロンについての記述です。パロノセトロンは、5 – HT3 受容体拮抗薬です。第2世代と呼ばれます。長時間作用が特徴です。制吐療法に用いられます。(101-64 抗がん薬に対する制吐療法)。
選択肢 3 ですが
オキセサゼインは胃液内の強酸中でも作用する、胃粘膜局所麻酔薬です。「局所麻酔薬」なので、電位依存性 Na+ チャネルを遮断することで作用します。ニコチン性アセチルコリン受容体遮断では、ありません。選択肢 3 は誤りです。
選択肢 4 ですが
プロメタジンは、第一世代 H1 受容体遮断薬です。(104-157 制吐薬の作用機序)。ガストリン受容体を遮断するわけではありません。選択肢 4 は誤りです。
選択肢 5 は妥当です。
アプレピタントについての記述です。(106-36 アプレピタントの制吐作用)。
以上より、正解は 2,5 です。
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