薬剤師国家試験 第104回 問157 過去問解説

 問 題     

制吐薬の作用機序に関する記述のうち、正しいのはどれか。2 つ選べ。

  1. アプレピタントは、嘔吐中枢及び迷走神経終末のタキキニン NK1 受容体を遮断することで制吐作用を示す。
  2. メトクロプラミドは、CTZ (化学受容器引き金帯)のドパミン D2 受容体を遮断することで制吐作用を示す。
  3. ジフェンヒドラミンは、嘔吐中枢のヒスタミン H1 受容体を刺激することで制吐作用を示す。
  4. プロメタジンは、迷走神経終末のドパミン D2 受容体を遮断することで制吐作用を示す。
  5. ラモセトロンは、消化管内在神経叢のセロトニン 5-HT4 受容体を遮断することで胃運動を抑制し、制吐作用を示す。

 

 

 

 

 

正解.1, 2

 解 説     

選択肢 1,2 は妥当な記述です。

選択肢 3 ですが
ジフェンヒドラミンは、抗ヒスタミン薬です。ヒスタミン受容体を「遮断」します。「刺激」ではありません。よって、選択肢 3 は誤りです。

選択肢 4 ですが
プロメタジンは H1 受容体遮断薬です。動揺病(乗り物酔い)に伴う悪心、嘔吐、めまいに使用されます。「D2 受容体遮断」ではありません。よって、選択肢 4 は誤りです。

選択肢 5 ですが
ラモセトロン(イリボー)は 「5-HT3 受容体遮断」作用を示します。「5 – HT4」ではありません。よって、選択肢 5 は誤りです。

以上より、正解は 1,2 です。

参考 薬理学まとめ 催吐薬・制吐薬

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