薬剤師国家試験 第107回 問161 過去問解説

 問 題     

泌尿器に作用する薬物に関する記述のうち、正しいのはどれか。2つ選べ。

  1. ソリフェナシンは、アドレナリン α1A 受容体を遮断して、前立腺平滑筋を弛緩させる。
  2. ジスチグミンは、コリンエステラーゼを阻害して、アセチルコリンによる膀胱排尿筋の収縮を増強する。
  3. シロドシンは、アセチルコリン M3 受容体を遮断して、膀胱括約筋を収縮させる。
  4. タダラフィルは、ホスホジエステラーゼ Ⅴ を活性化して、前立腺平滑筋を弛緩させる。
  5. ミラベグロンは、アドレナリン β3 受容体を刺激して、膀胱排尿筋を弛緩させる。

 

 

 

 

 

正解.2, 5

 解 説     

選択肢 1 ですが
ソリフェナシン(ベシケア)は、M3 受容体遮断薬です。過活動膀胱症候群の治療に用いられます。(102-287 選択肢 3 解説)。「アドレナリン α1A 受容体を遮断」ではありません。選択肢 1 は誤りです。

選択肢 2 は妥当です。
ジスチグミンはコリンエステラーゼ阻害剤です。(106-152 選択肢 1)。

選択肢 3 ですが
シロドシン(ユリーフ)は、α1 遮断薬です。(参考 101-248249)。「アセチルコリン M3 受容体を遮断」ではありません。選択肢 3 は誤りです。

選択肢 4 ですが
タダラフィル(ザルティア)は、ホスホジエステラーゼ(PDE)5 阻害薬です。(105-33 選択肢 2 解説)。ホスホジエステラーゼ V を「活性化」ではありません。選択肢 4 は誤りです。

選択肢 5 は妥当です。
ミラベグロンは、β3 受容体刺激薬です。(103-152 選択肢 4 解説)。

以上より、正解は 2,5 です。

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