薬剤師国家試験 第107回 問151 過去問解説

 問 題     

細胞内情報伝達系に関する記述のうち、正しいのはどれか。2 つ選べ。

  1. ヒスタミン H1 受容体が刺激されると、Gs タンパク質を介してアデニル酸シクラーゼが活性化される。
  2. インスリン受容体が刺激されると、インスリン受容体 β サブユニットの自己リン酸化が起こる。
  3. インターフェロン α (IFN-α) 受容体が刺激されると、JAK (ヤヌスキナーゼ) のチロシンキナーゼが活性化される。
  4. オピオイド μ 受容体が刺激されると、Gq タンパク質を介してホスホリパーゼ C が活性化される。
  5. 心房性ナトリウム利尿ペプチド (ANP) 受容体が刺激されると、可溶性グアニル酸シクラーゼが活性化される。

 

 

 

 

 

正解.2, 3

 解 説     

選択肢 1 ですが
H1 受容体は、Gq 共役型受容体です。従って、DG、IP3 を介して情報伝達が行われます。(102-151 選択肢 2)。「Gs タンパク質を介してアデニル酸シクラーゼ」ではありません。選択肢 1 は誤りです。

選択肢 2,3 は妥当です。
参考 インスリン受容体について 104-151 選択肢 5

選択肢 4 ですが
オピオイド受容体は、κ 受容体の他、μ 受容体や、δ 受容体などのサブタイプがありますが、どれも、Gi/Go 共役型です。(102-151 選択肢 4)。Gq タンパク質を介した情報伝達ではありません。選択肢 4 は誤りです。

選択肢 5 ですが
ANP 受容体刺激薬として、カルペリチドがあります。カルペリチドは ANP 受容体に作用し、膜結合型グアニル酸シクラーゼを活性化します。(103-34 選択肢 2 解説)。可溶性グアニル酸シクラーゼではありません。選択肢 5 は誤りです。

以上より、正解は 2,3 です。

参考 薬理学まとめ 代表的な薬物受容体、細胞内情報伝達系

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