薬剤師国家試験 第107回 問34 過去問解説

 問 題     

プラスミンによるフィブリン溶解を抑制することで、止血作用を示すのはどれか。1つ選べ。

  1. トラネキサム酸
  2. アルテプラーゼ
  3. カルバゾクロム
  4. プロタミン
  5. フィトナジオン

 

 

 

 

 

正解.1

 解 説     

選択肢 1 は妥当です。
トラネキサム酸は、線溶系抑制剤です。プラスミノーゲンやプラスミンのフィブリン親和部分であるリシン結合部位に結合し、プラスミノーゲン等のフィブリンへの吸着を阻止します。(100-162)。

選択肢 2 ですが
アルテプラーゼは、血栓溶解剤です。止血ではありません。(105-55)。選択肢 2 は誤りです。

選択肢 3 ですが
カルバゾクロムは血管強化薬です。凝固系、線溶系に影響を与えることなく止血作用を示す薬です。(100-162)。プラスミンによるフィブリン溶解を抑制ではありません。選択肢 3 は誤りです。

選択肢 4 ですが
プロタミンは、ヘパリンと結合し、ヘパリンの抗凝固作用を消失させます。ヘパリンの中和剤としてよく用いられます。(100-162)。プラスミンによるフィブリン溶解を抑制することで、止血作用を示すわけではありません。選択肢 4 は誤りです。

選択肢 5 ですが
フィトナジオンは、凝固系促進薬です。ビタミン K1 です。フィトナジオンによりプロトロンビンの生成が促進されます。プロトロンビンは、血液凝固因子です。ビタミン K 欠乏による低トロンビン血症の治療に用いられます。(100-162)。プラスミンによるフィブリン溶解を抑制することで、止血作用を示すわけではありません。選択肢 5 は誤りです。

以上より、正解は 1 です。

参考 薬理学まとめ 止血薬抗血栓薬

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