薬剤師国家試験 第107回 問33 過去問解説

 問 題     

心筋収縮力及び心拍数を低下させ、労作性狭心症発作を予防するのはどれか。1つ選べ。

  1. 硝酸イソソルビド
  2. チクロピジン
  3. ピモベンダン
  4. アテノロール
  5. デノパミン

 

 

 

 

 

正解.4

 解 説     

狭心症発作予防、心筋収縮力 及び 心拍数「低下」と来たら、β 遮断薬です。選択肢から選ぶなら、アテノロールです。アテノロールは、選択的 β1  遮断薬です。

以上より、正解は 4 です。

ちなみに、選択肢 1 ですが
硝酸イソソルビドは、硝酸薬です。狭心症治療薬です。硝酸薬を服用すると、体内でNO(一酸化窒素)が遊離されます。NO は、血管平滑筋のグアニル酸シクラーゼを活性化します。その結果 GTP からの cGMP 生成が促進されます。この結果、冠動脈の血管拡張が引き起こされます。さらに、末梢静脈が拡張することにより、前負荷が減少することにより、心筋の酸素消費が減少します。これらの複合的な効果により、狭心症に対して作用します。選択肢 1 は誤りです。

選択肢 2 ですが
チクロピジンは抗血小板薬です。労作性狭心症発作を予防する薬ではありません。選択肢 2 は誤りです。

選択肢 3 ですが
ピモベンダンは、心筋のトロポニンの Ca2+ 感受性を高めて、強心作用を示します。(106-159)。心筋収縮力及び心拍数を低下させるわけではありません。選択肢 3 は誤りです。

選択肢 5 ですが
デノパミンは、β1 刺激薬です。強心薬の一種です。(100-30)。筋収縮力及び心拍数を低下させるわけではありません。選択肢 5 は誤りです。

参考 薬理学まとめ 代表的な虚血性心疾患治療薬

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