薬剤師国家試験 第105回 問55 過去問解説

 問 題     

遺伝子組換え医薬品のうち、標的細胞表面に発現している抗原タンパク質を認識して結合し、抗腫瘍効果を示すのはどれか。1つ選べ。

  1. アルテプラーゼ
  2. エポエチン アルファ
  3. グルカゴン
  4. ニボルマブ
  5. ペグビソマント

 

 

 

 

 

正解.4

 解 説     

選択肢 1 ~ 3 は抗腫瘍薬ではありません。

アルテプラーゼは、血栓溶解剤です。(97-258

エポエチンアルファは、エリスロポエチン製剤です。エリスロポエチンとは腎臓で産生される赤血球産生を促進させるホルモンです。腎機能の低下などによるエリスロポエチン産生減少に対して、エリスロポエチンを補充することにより貧血症状の改善を図る薬です。(102-291

グルカゴンは、ペプチドホルモンの一種です。

選択肢 4 は妥当な記述です。
ニボルマブ(オプシーボ)は、ヒト PD-1 に対するヒト型 IgG4 モノクローナル抗体です。オプジーボは、T 細胞表面の PD-1 と がん細胞の PD-1 リガンド(PD-L1 および PD-L2)との結合を阻害します。

選択肢 5 は抗腫瘍薬ではありません。

ペグビソマント(ソマバート)は、GH 受容体拮抗薬です。先端巨大症における IGF-I(ソマトメジン-C)分泌過剰状態及び諸症状の改善に用いられます。(104-159

以上より、正解は 4 です。

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