薬剤師国家試験 第100回 問162 過去問解説

 問 題     

止血薬に関する記述のうち、正しいのはどれか。2つ選べ。

  1. カルバゾクロムは、血管に作用して血管透過性を抑制し、血管抵抗性を高める。
  2. フィトナジオンは、プロトロンビンの生合成を阻害し、高プロトロンビン血症を改善する。
  3. トラネキサム酸は、プラスミンやプラスミノーゲンのフィブリンへの結合を促進し、血液凝固を引き起こす。
  4. プロタミンは、ヘパリンと結合し、ヘパリンの抗凝固作用を消失させる。
  5. ヘモコアグラーゼは、ヘモグロビンと塩を形成し、止血作用を示す。

 

 

 

 

 

正解.1, 4

 解 説     

選択肢 1 は、正しい選択肢です。
カルバゾクロムは血管強化薬です。凝固系、線溶系に影響を与えることなく止血作用を示す薬です。

選択肢 2 ですが
フィトナジオンは、凝固系促進薬です。ビタミン K1 です。プロトロンビンは、血液凝固因子です。フィトナジオンによりプロトロンビンの生成が促進されます。ビタミン K 欠乏による低トロンビン血症の治療に用いられます。プロトロンビンの生合成を阻害し高プロトロンビン血症を改善するわけでは、ありません。よって、選択肢 2 は誤りです。

選択肢 3 ですが
トラネキサム酸は、線溶系抑制剤です。プラスミノーゲンやプラスミンのフィブリン親和部分であるリシン結合部位に結合し、プラスミノーゲン等のフィブリンへの吸着を阻止します。その結果、プラスミンによるフィブリン分解を阻害することにより止血作用を示します。フィブリンへの結合を促進し、凝固を引き起こすわけではありません。よって、選択肢 3 は誤りです。

選択肢 4 は、正しい選択肢です。
ちなみに、プロタミンはヘパリンの中和薬としてよく知られています。※低分子ヘパリンには、効果があまり期待できません。

選択肢 5 ですが
ヘモコアグラーゼは、蛇毒由来の酵素止血剤です。トロンビン様の作用と、トロンボプラスチン様の作用を有します。ヘモグロビンと塩を形成し、止血作用を示すわけではありません。よって、選択肢 5 は誤りです。ちなみに、ヘモグロビンと塩を形成し止血作用を有するという記述は、可吸収性止血剤 サージセル に関する記述であると考えられます。

以上より、正解は 1,4 です。

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