問 題
関節リウマチの治療に用いる薬物に関する記述のうち、正しいのはどれか。2つ選べ。
- レフルノミドは、ピリミジン合成系を阻害し、リンパ球の増殖を抑制する。
- サラゾスルファピリジンは、抗原提示細胞のCD80/CD86に結合し、CD28を介した共刺激シグナルを阻害する。
- ペニシラミンは、カルシニューリンを阻害し、ヘルパーT細胞でのインターロイキン-2産生を抑制する。
- オーラノフィンは、腫瘍壊死因子α(TNF-α)と特異的に結合し、TNF-αの細胞膜受容体への結合を阻害する。
- メトトレキサートは、キメラ型モノクローナル抗体製剤に対する中和抗体の産生を抑制する。
正解．1, 5
解 説
選択肢 1 は、正しい選択肢です。
選択肢 2 ですが
T 細胞やマクロファージに作用することで、これらの細胞からのサイトカイン産生を抑制することで抗リウマチ作用を示す薬です。CD28 を介した共刺激シグナルを阻害するわけではありません。ちなみに、共刺激シグナルを阻害するという記述は、分子標的薬の一つであるアバタセプトに関するものです。よって、選択肢 2 は誤りです。
選択肢 3 ですが
ペニシラミンは、SH基（チオール）製剤です。免疫複合体のジスルフィド結合（S-S結合）に働いて解離させることにより作用します。ちなみに、記述はシクロスポリンの作用機序です。よって、選択肢 3 は誤りです。
選択肢 4 ですが
オーラノフィンは、金化合物です。金が体内の硫黄に対し高親和性を示し、種々のチオール基（SH）が関与する酵素を阻害することによって効果を表します。ちなみに、記述はインフリキシマブ等の TNF 阻害薬に関する記述です。よって、選択肢 4 は誤りです。
選択肢 5 は、正しい選択肢です。
以上より、正解は 1,5 です。
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