薬剤師国家試験 第107回 問17 過去問解説

 問 題     

自然毒のうち、魚介類による食中毒の原因となるのはどれか。1 つ選べ。

  1. アコニチン
  2. ソラニン
  3. アミグダリン
  4. テトロドトキシン
  5. チャコニン

 

 

 

 

 

正解.4

 解 説     

選択肢 1 ですが
アコニチンはトリカブトに含まれる猛毒で、神経毒です。トリカブトは植物です。魚介類ではありません。選択肢 1 は誤りです。

選択肢 2 ですが
ソラニンはじゃがいもの発芽部分に含まれます。コリンエステラーゼ阻害作用を持ち、激しい下痢等がおきます。耐熱性毒素なので、ゆでても毒素は残ります。じゃがいもは魚介類ではありません。選択肢 2 は誤りです。

選択肢 3 ですが
アミグダリンは、青酸(シアン)配糖体の一種です。CN を含むことが特徴です。アミグダリンは青梅、アーモンドなどに含まれます。魚介類ではないため、選択肢 3 は誤りです。

選択肢 4 は妥当です。
フグ毒の毒成分がテトロドトキシンです。フグが毒を産生するわけではありません。海洋細菌が産生した毒が、食物連鎖で濃縮されます。毒素は耐熱性です。毒素により神経麻痺がおき、重症になると呼吸麻痺で死亡します。

選択肢 5 ですが
チャコニンは、ジャガイモの芽などに含まれる天然毒素です。(105-18 食中毒を引き起こす植物由来の自然毒)。魚介類ではないため、選択肢 5 は誤りです。

以上より、正解は 4 です。
類題 104-120 自然毒による食中毒
参考 衛生薬学まとめ 自然毒

コメント