薬剤師国家試験 第104回 問120 過去問解説

 問 題     

自然毒による食中毒に関する記述のうち、正しいのはどれか。2つ選べ。

  1. ジャガイモに含まれるソラニンは、コリンエステラーゼ阻害作用を示す。
  2. フグ毒テトロドトキシンは、神経や筋肉のNa+チャネルを開口することにより神経症状を引き起こす。
  3. 青梅の種子中のアミグダリンから発生する青酸は、メトヘモグロビン血症を引き起こす。
  4. テングダケ科のキノコに含まれるα-アマニチンは、RNAポリメラーゼⅡ阻害により細胞毒性を引き起こす。
  5. サンゴ礁に生息する魚の肝臓で生合成されるシガトキシンは、シガテラを引き起こす。

 

 

 

 

 

正解.1, 4

 解 説     

選択肢 1 は妥当な記述です。

選択肢 2 ですが
テトロドトキシンは、Na+ チャネルを「遮断」することで症状を引き起こします。ちなみに、「開口」させるのはトリカブトに含まれるアコニチンです。よって、選択肢 2 は誤りです。

選択肢 3 ですが
アミグダリンから生じる青酸(シアン化水素)は、シトクロム c オキシダーゼを低濃度で強く阻害し細胞の呼吸を停止させることにより中毒を引き起こします。メトヘモグロビン血症を引き起こすわけではありません。よって、選択肢 3 は誤りです。

選択肢 4 は妥当な記述です。

選択肢 5 ですが
シガテラ毒の毒成分であるシガトキシンは、食物連鎖で魚に濃縮されたものです。「魚の肝臓で生合成」されたものではありません。よって、選択肢 5 は誤りです。

以上より、正解は 1,4 です。

参考 衛生薬学まとめ 自然毒

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