薬剤師国家試験 第105回 問160 過去問解説

 問 題     

ホルモン関連薬に関する記述のうち、正しいのはどれか。2つ選べ。

  1. フルベストラントは、アロマターゼを阻害し、エストロゲンの産生抑制作用を示す。
  2. アナストロゾールは、エストロゲン受容体を遮断し、排卵誘発作用を示す。
  3. プロピルチオウラシルは、甲状腺ホルモン受容体を遮断し、甲状腺機能抑制作用を示す。
  4. エプレレノンは、アルドステロン受容体を遮断し、利尿作用を示す。
  5. トルバプタンは、バソプレシンV2受容体を遮断し、利尿作用を示す。

 

 

 

 

 

正解.4, 5

 解 説     

選択肢 1 ですが
フルベストラント(フェソロデックス)は、閉経後乳がんに適応を持つ、筋注で用いられる製剤です。エストロゲン受容体の分解を促進する という作用機序です。SERD(選択的エストロゲン受容体ダウンレギュレーター)の一種です。「アロマターゼ阻害剤」ではありません。よって、選択肢 1 は誤りです。(104-254)

選択肢 2 ですが
アナストロゾールは、アロマターゼ阻害剤です。閉経後乳がんに用いられます。「エストロゲン受容体遮断」ではありません。よって、選択肢 2 は誤りです。(102-191)

選択肢 3 ですが
プロピルチオウラシルは、ペルオキシダーゼ阻害薬です。甲状腺ホルモンをおさえる薬です。「甲状腺ホルモン受容体を遮断」するわけではありません。よって、選択肢 3 は誤りです。(97-37)

選択肢 4,5 は妥当な記述です。

以上より、正解は 4,5 です。

コメント