薬剤師国家試験 第97回 問37 過去問解説

 問 題     

甲状腺ホルモン産生阻害作用を示すのはどれか。1つ選べ。

  1. チアマゾール
  2. オキシトシン
  3. プロチレリン
  4. クロミフェン
  5. ソマトレリン

 

 

 

 

 

正解.1

 解 説     

甲状腺ホルモンを産生する酵素は、ペルオキシダーゼです。ペルオキシダーゼは、ヨウ素を活性化ヨウ素へと変換する、体内の酸化過程を担う酵素です。ペルオキシダーゼを阻害することにより、T3 , T4 ホルモンが合成されないようにします。ペルオキシダーゼを阻害する代表的な薬は、チアマゾール、プロピルチオウラシルです。

以上より、正解は 1 です。

ちなみにオキシトシンは、脳下垂体後葉から分泌されるホルモンです。子宮収縮の誘発などを引き起こすホルモンです。

プロチレリンは、甲状腺刺激ホルモン(TSH:thyroid stimulating hormone)及びプロラクチン分泌を促進します。それらのホルモン分泌機能の検査に用いられます。

クロミフェンは、抗エストロゲン薬です。クロミフェンは、結果的には、フィードバック作用を介して、エストロゲン放出が増加します。不妊症の排卵誘発剤として用いられます。

ソマトレリンは、成長ホルモン(GH:growth hormone)の分泌を促進する薬です。
下垂体の成長ホルモンの分泌機能の検査に用いられます。

類題 99-160
参考 薬理学まとめ ホルモンの分泌異常に用いられる代表的な治療薬

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