薬剤師国家試験 第104回 問161 過去問解説

 問 題     

血液・造血系に作用する薬物に関する記述のうち、正しいのはどれか。2つ選べ。

  1. フィルグラスチムは、単球・マクロファージ系前駆細胞に作用し、その分化や増殖を促進することで、顆粒球減少症を改善する。
  2. メコバラミンは、造血組織におけるDNA合成を抑制することで、巨赤芽球性貧血を改善する。
  3. 葉酸は、血漿中の鉄の造血組織への移行を促進することで、鉄芽球性貧血を改善する。
  4. ダルベポエチンアルファは、赤芽球前駆細胞から赤血球への分化を促進することで、腎性貧血を改善する。
  5. エルトロンボパグは、トロンボポエチン受容体を刺激することで、血小板減少症を改善する。

 

 

 

 

 

正解.4, 5

 解 説     

選択肢 1 ですが
フィルグラスチムは、「G-CSF 製剤」です。主に「好中球」を増加させます。「単球マクロファージ」を増加させるのは 「M-CSF 製剤」です。M-CSF 製剤の例はミリモスチムです。よって、選択肢 1 は誤りです。

選択肢 2,3 ですが
巨赤芽球性貧血とは、ビタミン B12 や葉酸欠乏により、DNA 合成が障害されておきる貧血です。メコバラミンはビタミン B12 製剤です。DNA合成を「促進」します。葉酸も同様です。選択肢 2 について、「抑制」ではありません。選択肢 3 について「鉄の、、、移行を促進」ではありません。よって、選択肢 2,3 は誤りです。

選択肢 4,5 は妥当な記述です。
ダルベポエチンは、遺伝子組み換えエリスロポエチン製剤です。赤芽球系前駆細胞に直接作用し、造血効果を発揮します。(100-265

エルトロンボパグ(レボレード)は経口血小板増加薬です。トロンボポエチン受容体作動薬です。慢性特発性血小板減少性紫斑病の治療薬です。(101-37

以上より、正解は 4,5 です。

参考)薬理学まとめ 造血薬

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