薬剤師国家試験 第104回 問37 過去問解説

 問 題     

TNF-αに特異的に結合することで、TNF-αとその受容体の結合を阻害するのはどれか。1つ選べ。

  1. インフリキシマブ
  2. プレドニゾロン
  3. トシリズマブ
  4. アバタセプト
  5. トファシチニブ

 

 

 

 

 

正解.1

 解 説     

選択肢 1 は妥当な記述です。
インフリキシマブ(レミケード)は遺伝子組み換え抗ヒトTNF-αモノクローナル抗体です。TNF-α とは、炎症性サイトカインの一つです。TNF-α に対してインフリキシマブは選択的に結合することで、炎症を抑制します。

選択肢 2 ですが
プレドニゾロンはステロイド薬です。TNF – α に特異的に結合する薬ではありません。よって、選択肢 2 は誤りです。

選択肢 3 ですが
トシリズマブ(アクテムラ)は、遺伝子組み換えヒト化ヒト IL-6 受容体モノクローナル抗体です。IL-6 受容体に結合することにより IL-6 の活性発現を抑制し、炎症を抑制します。TNF – α に特異的に結合する薬ではありません。よって、選択肢 3 は誤りです。

選択肢 4 ですが
アバタセプト(オレンシア)は、抗原掲示細胞表面の CD80/CD86 を標的とした分子標的薬で抗リウマチ薬の一つです。CD28 を介した共刺激シグナルを阻害することで T 細胞の活性化を抑制します。TNF – α に特異的に結合する薬ではありません。よって、選択肢 4 は誤りです。

選択肢 5 ですが
トファシチニブ(ゼルヤンツ)は、ヤヌスキナーゼ(JAK)阻害薬です。TNF – α に特異的に結合する薬ではありません。よって、選択肢 5 は誤りです。

以上より、正解は 1 です。
類題 101-39,103-40
参考 薬理学まとめ 慢性関節リウマチ治療薬

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