薬剤師国家試験 第101回 問39 過去問解説

 問 題     

腫瘍壊死因子-α(TNF-α)と結合し、その作用を抑制するのはどれか。1つ選べ。

  1. シクロスポリン
  2. オーラノフィン
  3. ブシラミン
  4. エタネルセプト
  5. アバタセプト

 

 

 

 

 

正解.4

 解 説     

腫瘍壊死因子(TNF:Tumor Necrosis Factor )は、過剰な発現により関節リウマチ、乾癬などの発症を招きます。抗リウマチ薬として腫瘍壊死因子をターゲットとした分子標的薬が、インフリキシマブやエタネルセプトです。

以上より、正解は 4 です。

ちなみに、選択肢 1 ですが
シクロスポリンは、免疫抑制剤です。カルシニューリンインヒビターです。シクロスポリンが結合するのは、細胞内タンパク質であるシクロフィリンです。シクロスポリン-シクロフィリン複合体は、カルシニューリンに結合し、活性化を抑制します。カルシニューリンとは、T 細胞活性化に関するシグナル伝達を担うタンパク質の一種です。

選択肢 2 ですが
オーラノフィンは、金化合物の抗リウマチ薬です。体内の硫黄に高親和性を有します。種々のチオール(-SH)基が関与する酵素を阻害することで、薬効を示します。

選択肢 3 ですが
ブシラミンは、チオール製剤です。抗リウマチ薬です。免疫複合体に作用して S-S 結合を解離させることで薬効を示します。

選択肢 5 ですが
アバタセプト(オレンシア)は、抗原掲示細胞表面のCD80/CD86 を標的とした分子標的薬で、抗リウマチ薬の一つです。CD28 を介した共刺激シグナルを阻害することでT 細胞の活性化を抑制します。

類題 98-258259

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