101回薬剤師国家試験 問65解説

 問 題     

ALK 融合遺伝子陽性の非小細胞肺がんに用いる薬物として最も適切なのはどれか。1 つ選べ。

  1. ゲフィチニブ
  2. クリゾチニブ
  3. パゾパニブ
  4. ソラフェニブ
  5. ダサチニブ

 

 

 

 

 

正解.2

 解 説     

肺がん治療では、ALK 融合遺伝子の変異 及び EGFR 遺伝子変異 に注目して使用薬剤が決定されます。

選択肢 1 ですが
ゲフィチニブ(イレッサ)は、EGFR チロシンキナーゼ阻害薬 です。非小細胞肺がんに用います。EGFR 遺伝子変異陽性 であることを確認した上で用いる薬です。ALK 融合遺伝子陽性だから用いる、というわけではありません。よって、選択肢 1 は誤りです。

選択肢 2 は、正しい選択肢です。
クリゾチニブ(ザーコリ)は、ALK チロシンキナーゼ阻害薬 です。ALK 融合遺伝子陽性 の非小細胞性肺がんに用います。

選択肢 3 ですが
パゾパニブ(ヴォトリエント)は、マルチチロシンキナーゼ阻害薬です。血管新生を阻害し腫瘍の成長を妨げます。腎細胞癌 や 悪性軟部腫瘍 に用います。非小細胞性肺がんへの適応はありません。よって、選択肢 3 は誤りです。

選択肢 4 ですが
ソラフェニブ(ネクサバール)は、マルチチロシンキナーゼ阻害薬です。腎細胞がん や 肝細胞がん 及び 甲状腺がん に用いられます。非小細胞性肺がんへの適応はありません。よって、選択肢 4 は誤りです。

選択肢 5 ですが
ダサチニブ(スプリセル)は、マルチチロシンキナーゼ阻害薬です。白血病の治療に用いられます。非小細胞性肺がんへの適応はありません。よって、選択肢 5 は誤りです。

以上より、正解は 2 です。
類題 99-300301105-304305

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