公務員試験 2020年 国家一般職(行政) No.14解説

 問 題     

国会に関する次の記述のうち,妥当なのはどれか。

1.両議院は,各々その議員の資格に関する争訟を裁判するが,当該裁判により議員の資格を失うこととなった者は,これに不服がある場合,その結論を司法裁判所で争うことができる。

2.憲法に基づく両議院の議員懲罰権は,議院内部の秩序を乱した議員の懲罰を目的とするものであるから,議場外の行為で会議の運営とは関係のない個人的行為は懲罰の事由とはならない。

3.憲法上,予算先議権など衆議院のみに認められた権能がある一方で,参議院のみに認められた権能はない。

4.法律案について,衆議院で可決し,参議院でこれと異なる議決をした場合,必ず両院協議会を開かなければならず,両院協議会で意見が一致しないときは,衆議院で総議員の3 分の2 以上の多数で再び可決すれば,法律となる。

5.国会の会期中に議決に至らなかった案件は,原則として後会に継続しない。これを会期不継続の原則といい,憲法上,明文で規定されている。

 

 

 

 

 

正解 (2)

 解 説     

選択肢 1 ですが
憲法第 55 条によれば、「両議院の議員の資格に関する争訟で議員の議席を失わせるには、出席議員の3分の2以上の多数の議決を必要」とします。(H30no13)。そして、議院の自律権を尊重する趣旨から、裁判所への提訴による救済は求めることができません。(H26no14)。選択肢1は誤りです。

選択肢 2 は妥当です。
憲法第 58 条です。

選択肢 3 ですが
憲法上参議院のみに認められた事項として、衆議院解散時の緊急集会があげられます。(憲法 54 条第2項)。(H28no14)。選択肢 3 は誤りです。

選択肢 4 ですが
法律案について、両院協議会は「必要に応じて開催」されます。議決が割れた際、両院協議会が must になるのは、予算、条約締結の承認、内閣総理大臣指名です。(H28no14)。選択肢 4 は誤りです。

選択肢 5 ですが
会期不継続の原則について、国会法第 68 上に明文規定があります。憲法上は、明文規定ありません。(2019 (R1) no14)。選択肢 5 は誤りです。

以上より、正解は 2 です。

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