公務員試験 H28年 国家一般職(行政) No.14解説

 問 題     

国会に関する ア〜オ の記述のうち,妥当なもののみを全て挙げているのはどれか。

ア.両議院の召集,開会及び閉会が同時に行われるべきとする両議院の同時活動の原則については,憲法上,これに関連する規定はないが,憲法が二院制を採用していることを踏まえ,法律により明文で規定されている。

イ.両院協議会は,各議院が独立して議事を行い,議決することを内容とする両議院の独立活動の原則の例外とされている。

ウ.衆議院は予算先議権を有し,予算に関連した法律案は予算との関連が密接であることから,憲法上,当該法律案についても衆議院において先議しなければならないと規定されている。

エ.法律案について,衆議院で可決し,参議院でこれと異なった議決がなされた場合,衆議院において出席議員の 3 分の 2 以上の多数で再び可決すれば法律が成立するが,衆議院の可決のみで成立してしまうことから,両院協議会を開かなければならない。

オ.憲法上,予算先議権等,衆議院にのみ認められた事項がある一方で,参議院にのみ認められた事項はないことから,衆議院は参議院に優越しているといえる。

1.イ
2.ウ
3.ア,エ
4.イ,オ
5.ウ,エ

 

 

 

 

 

正解 (1)

 解 説     

記述 ア ですが
憲法 54 条 2 項によれば、「衆議院が解散されたときは、参議院は、同時に閉会となる」とあります。これは両院の同時活動の原則の現れです。「関連する規定がない」とはいえません。また、両議院の同時活動の原則は、法律により明文で規定されてはいません。記述 ア は誤りです。

記述 イ は妥当です。
両院協議会は、両議院の独立活動の原則の例外とされています。

記述 ウ ですが
衆議院が予算先議権を有する、という部分は妥当です。以降ですが、法律について先議権はありません。予算関連法律案は、法律案の一種です。従って、予算関連法律案について、衆議院に先議権はありません。どちらが先でもよいです。記述 ウ は誤りです。

記述 エ ですが
法律案について、両院協議会は「必要に応じて開催」されます。議決が割れた際、両院協議会が must になるのは、予算、条約締結の承認、内閣総理大臣指名です。記述 エ は誤りです。

記述 オ ですが
憲法上参議院のみに認められた事項として、衆議院解散時の緊急集会があげられます。(憲法 54 条第2項)。従って、記述 オ は誤りです。

以上より、正解は 1 です。

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