公務員試験 H28年 国家一般職(行政) No.15解説

 問 題     

内閣に関する ア〜オ の記述のうち,妥当なもののみを全て挙げているのはどれか。

ア.国務大臣の任命は内閣総理大臣が行うが,これを天皇が認証することにより初めて合議体としての内閣が成立する。

イ.内閣総理大臣は,行政権の属する内閣の首長であることから,国会議員であるだけでなく文民であることが求められるが,国務大臣は,内閣の首長ではないことから,その過半数は国会議員でなければならないが,文民であることは求められていない。

ウ.内閣は国会に対して連帯して責任を負うこととされているが,各国務大臣が所管事項について単独で責任を負うことも憲法上否定されていない。

エ.内閣総理大臣は,国務大臣を罷免する場合には,これを閣議にかけなければならない。

オ.国務大臣は,各議院から答弁又は説明のため出席を求められたときは,議院に出席する義務があることから,国会の会期中に限り,内閣総理大臣の同意がなければ訴追されない。

1.ア
2.ウ
3.ア,イ
4.ウ,オ
5.エ,オ

 

 

 

 

 

正解 (2)

 解 説     

記述 ア ですが
内閣は、内閣総理大臣及びその他の国務大臣により構成される合議体です。国務大臣の任命は天皇により「認証」されますが、認証は効力要件ではありません。従って、内閣総理大臣が国務大臣を任命した時点で、合議体としての内閣が成立します。「認証することによって初めて・・・」ではありません。記述 ア は誤りです。

記述 イ ですが
憲法 66 条 2 項によれば、内閣総理大臣その他の国務大臣は、文民でなければなりません。記述 イ は誤りです。

記述 ウ は妥当です。

記述 エ ですが
憲法 68 条 2 項によれば、内閣総理大臣は、任意に国務大臣を罷免できます。閣議にかける必要はありません。記述 エ は誤りです。

記述 オ ですが
憲法 75 条によれば、国務大臣は、在任中、内閣総理大臣の同意がなければ、訴追されません。但し、これがため、訴追の権利は害されません。「国会の会期中に限り」ではありません。記述 オ は誤りです。

以上より、正解は 2 です。

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