公務員試験 H30年 国家一般職(行政) No.13解説

 問 題     

国会に関する ア〜オ の記述のうち,妥当なもののみを全て挙げているのはどれか。

ア.各議院の議員は,院外における現行犯罪の場合を除いては,国会の会期中その議院の許諾がなければ逮捕されず,議員が国会の会期前に逮捕された場合は,その議院の要求があれば,会期中これを釈放しなければならない。

イ.両議院は,各々その議員の資格に関する争訟を裁判するが,この裁判により議員の議席を失わせるには,総議員の 3 分の 2 以上の多数による議決を必要とする。

ウ.両議院は,各々その会議その他の手続及び内部の規律に関する規則を定める権能を有するが,憲法上,その権能は憲法及び国会法の規定する内容を除く範囲に明文で限定されている。

エ.憲法に基づく両議院の議員懲罰権は,飽くまで議院内部の秩序を乱した議員の懲罰を可能とするにとどまり,議場外の行為で会議の運営と関係のない個人的行為は懲罰の事由にならない。

オ.国政調査権を用いて,現に裁判所に係属中の事件について裁判の内容の当否を判断するために調査を行うことは,国会が国権の最高機関とされていることから認められると一般に解されている。

1.ア,エ
2.ウ,オ
3.ア,イ,エ
4.ア,ウ,エ
5.イ,エ,オ

 

 

 

 

 

正解 (1)

 解 説     

記述 ア は妥当です。
参考 H27no13 

記述 イ ですが
憲法第 55 条によれば、「両議院の議員の資格に関する争訟で議員の議席を失わせるには、出席議員の3分の2以上の多数の議決を必要」とします。「総議員の 3 分の 2 以上」ではありません。記述 イ は誤りです。参考 H26no14 

記述 ウ ですが
憲法第 58 条によれば、「両議院は、各々その会議その他の手続及び内部の規律に関する規則を定め・・・ることができる」とあります。権能について、憲法及び国会法の規定する内容を除く範囲に明文で限定されているということはありません。記述 ウ は誤りです。

記述 エ は妥当です。
議員懲罰権についての記述です。

記述 オ ですが
一般に司法権の独立により、限に訴訟係属中の裁判や、裁判官個人の資格等には及ばないと解されています。記述 オ は誤りです。

以上より、正解は 1 です。

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