薬物代謝様式と、関与する代表的な酵素

薬物の代謝様式は大きく分けると、第一相反応と、第二相反応(抱合反応)に分類できます。第一相反応は、更に酸化、還元、加水分解 などに分類されます。酸化、還元に関与する代表的な酵素が、シトクロム P450 です。加水分解に関与する代表的な酵素の一例は、エステラーゼです。エステルを加水分解します。

抱合反応に関与する代表的な酵素は、UDP-グルクロン酸転移酵素 です。グルクロン酸抱合を行います。グルクロン酸は、糖の一種です。UDP は、ウリジン二リン酸 の略です。構造は、以下の図になります。

グルクロン酸の中の OH 基の一つ に UDP がくっついたものが UDP-グルクロン酸です。UDP-グルクロン酸 からグルクロン酸部分を薬物に転移させるから UDP-グルクロン酸転移酵素 です。

代表的な酵素が、細胞のどこに局在するか が知識として求められることがあります。P450、 UDP-グルクロン酸転移酵素は、小胞体に存在します。(遠心分離によりミクロソーム画分 として得られます。)他の酵素は、細胞質基質やミトコンドリア等 に存在します。(遠心分離により、細胞質基質にある酵素は可溶性画分 として、ミトコンドリアにある酵素はミトコンドリア画分として得られます。)

演習 97-44

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