97回薬剤師国家試験 問44解説

 問 題     

ヒトの肝臓において、薬物の酸化、還元、加水分解、抱合の全ての代謝反応が行われる細胞内小器官はどれか。1つ選べ。

  1. ゴルジ体
  2. 小胞体
  3. ミトコンドリア
  4. リソソーム

 

 

 

 

 

正解.3

 解 説     

薬物代謝酵素反応に関する酵素は主に、細胞を破砕して遠心分離した際における、ミクロソーム画分と可溶性画分に存在します。

遠心分離による細胞の分画は、以下の図のように行います。

ミクロソーム画分に含まれる代表的な酵素は、シトクロムP450、UDP-グルクロン酸転移酵素です。それぞれ、第 I 相、第 II 相反応に関与します。ちなみにミクロソームとは、細胞小器官でいう小胞体です。

以上より、正解は 3 です。

ちなみに可溶性画分に含まれる代表的な酵素は、アルコール脱水素酵素、アルデヒド脱水素酵素、その他の転移酵素(硫酸転移、グルタチオンS-転移、N-アセチル転移、メチル転移酵素)です。

参考 薬剤学まとめ 薬物代謝様式と、関与する代表的な酵素

コメント