シトクロムP-450(CYP450)の構造、性質、反応様式

シトクロム P-450(CYP450。単に「CYP(シップ)」と、以降呼びます。) は、活性中心にヘム鉄 を含む分子量約50000の一群のヘムタンパク質の総称です。「450」は、CO(一酸化炭素)と結合した時に波長を変えつつ光を当てると 450 nm に、吸収極大が見られることを意味しています。

CYP は、アミノ酸組成の類似性から CYP 1 ファミリー、CYP 2 ファミリー・・・と分類されます。それぞれのファミリーの中でさらに似ているものどうしで、CYP1A、CYP1B、、、 と分類されます。さらに CYP1A1 ,CYP1A2、、、と分けられます。代表的な CYP は、CYP 3A4 です。

CYP の特徴は、基質特異性が低い ということです。つまり、同じ CYP が色んな薬物を代謝します。また、違うグループの CYP が同じ薬物を代謝したりもします。代表的な CYP と、代謝する薬物、反応様式や特徴として重要なものを以下、列挙します。これをベースとして、少しずつ思い出せる知識を演習などを通じて増やしていくとよいと思います。

CYP 3A4 → ジアゼパム(Bz系 抗不安薬)、水酸化(酸化の一種。-OHを付ける。)

CYP 1A2 → テオフィリン(ぜん息薬)、N-脱メチル化 ※ 1A2 の特徴は、喫煙で、誘導されることです。

CYP2C9 → フェニトイン(抗てんかん薬)、トルブタミド(血糖降下薬)、ワルファリン(抗凝固薬)。『肉、ふとるわ』 で覚えるとよいと思います。様式は不要です。

CYP2C19 → オメプラゾール(胃酸抑制薬。PPI。)これも様式不要。演習の内容(PM,EMの存在)をぜひチェック。

CYP 2D6 → コデイン。O-脱メチル化。

CYP2E1 → エタノール、酸化。お酒で酔った時に使われている酵素。※エタノールの代謝については、CYP2E1 も関与するのだが、主に ADH(alcohol dehydrogenase)及び ALDH(aldehyde dehydrogenase)により代謝される、という点を意識しておくとよいです!

演習)98-130(CYP の一般的な内容について。)
99-302(CYP2C19 について。)
100-130(CYP の酸化。具体的に構造あり。)

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