細胞内小器官の構造と機能

細胞内小器官とは、細胞内において特定の機能を持つ構造の総称です。主な細胞内小器官は 6 つあります。

1つめは核です。
核は核膜という二層の膜で囲まれています。核膜は小さな孔が多く開いています。又、核膜の内側の腔は、小胞体と呼ばれる細胞内小器官の内腔と通じています。核の中の薄暗い所は、核小体と呼ばれます。ここでは r RNA が合成されます。

核の成分は、主に DNA とヒストンです。ヒストンは塩基性タンパク質です。核は、細胞の遺伝情報の保存及び伝達を担います。

2つめはミトコンドリアです。
ミトコンドリアは、外膜と内膜という二重の膜で囲まれた細胞内小器官です。内膜において、内腔に向かって突き出されているひだひだの部分がクリステと呼ばれます。内腔はマトリックスと呼ばれます。以下がイメージになります。

ミトコンドリアは、好気呼吸における電子伝達系を担う場所です。

3つめは小胞体です。
小胞体は一層の生体膜に囲まれた、平べったい袋状の細胞内小器官です。小胞体は、様々な物質の合成を担っています。

小胞体は大きく2つに分類されます。
1つは表面に点が付着されて見える粗面小胞体です。点はタンパク質合成装置であるリボソームです。主にタンパク質が合成されます。もう1つは表面にリボソームがくっついていない滑面小胞体です。滑面小胞体は、脂質合成や Ca2+ の貯蔵等を行なっています。

4つめはリソソームです。
リソソームは1層の膜に覆われた顆粒です。細胞内消化の場として働きます。この顆粒の中には加水分解酵素がたくさん含まれています。

5つめはゴルジ体です。
ゴルジ体は、1層の膜で囲まれた平べったい袋状の構造です。小胞体において合成されたタンパク質は、分泌タンパク質としてゴルジ体に輸送されます。輸送されたタンパク質に対して糖鎖付加などの修飾を施すのがゴルジ体の機能です。

6つめはペルオキシソームです。
ペルオキシソームは、1層の膜で囲まれた球形の細胞内小器官です。脂肪酸の分解等に関与します。これはオキシダーゼによって行われます。

オキシダーゼの働きにより、細胞にとって有毒な活性酸素の一種である過酸化水素( H2O2 )を発生します。ペルオキシソームには、この過酸化水素を除去する酵素であるカタラーゼも存在します。

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