細胞膜を介した物質移動

細胞膜を介した物質の輸送形式は、大きく受動輸送と能動輸送に分類されます。受動輸送は、更に単純拡散と促進拡散に分類されます。まとめると以下の表になります。

単純拡散とは、濃度勾配に基づき拡散することです。ATP を消費しません。

促進拡散とは、特定の物質を通すチャネルを介した拡散です。ATP を消費しません。

能動輸送とは、ATP の加水分解により得られたエネルギーを用いて、濃度勾配に逆らって物質を輸送する輸送形式です。ATP を加水分解することによって得たエネルギーを直接用いて物質を輸送することを一次性能動輸送と呼びます。まず何らかのイオン勾配を作り出し、その勾配を利用して物質の輸送を実現する場合は、二次性能動輸送と呼ばれます。

細胞膜を介した輸送形式は、単輸送、共輸送、対向輸送という分類もされます。これは、輸送物質が1つなのか2つなのか、向きがどのような組み合わせかという観点からの分類です。

単輸送は、物質1つが、一方向に移動する輸送です。
共輸送は、物質2つが、一方向に移動する輸送です。
対向輸送は、物質2つ以上が、逆方向に移動する輸送です。

また、物質の輸送において、細胞膜が変形することにより輸送を行うことがあります。これは膜動輸送と呼ばれます。

膜動輸送は、物質を細胞外に送り出すか、細胞内に取り入れるかによって分類されます。細胞外に物質を送り出す輸送は、エキソサイトーシスと呼ばれます。細胞内に物質を取り入れる輸送は、エンドサイトーシスと呼ばれます。

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