心臓の機能と構造

心臓の機能は、血液を送り出すポンプとしての機能です。

心臓は上下、左右の4室からなります。上を心房、下を心室と呼びます。血液が心臓のどこから入ってきて、どのように出ていくかを心臓の部位と関連づけて説明していきます。大雑把なイメージは以下のようになります。

血液は、全身から右心房へと大静脈を通って戻ってきます。次に右心房→右心室へと流れます。この時、血液の逆流を防ぐために、右心房と右心室の間には三尖弁と呼ばれる弁がついています。

右心室の血液は、肺動脈を通って肺に送られます。肺では血液中の酸素と二酸化炭素の交換が行われ、酸素が豊富な血液となります。

肺から戻ってきた血液は、肺静脈を通り左心房へと流れ込みます。次に左心房→左心室へと流れます。この時、やはり血液の逆流を防ぐために、左心房と左心室の間には僧帽弁と呼ばれる弁がついています。

左心室の血液は、大動脈を通って全身へと送られます。全身に酸素を供給した血液は、大静脈から右心房へと戻ってくることで血液の循環が行われます。

心臓は心筋により構成されます。心筋は大きく2つに分類されます。
1つは固有心筋という、心臓の収縮に関与する筋肉です。
もう1つは、特殊心筋です。これは刺激伝導系とも呼ばれ、興奮の伝導に関与します。刺激伝導系については、とてもわかりやすいアニメーションがあるので、参考リンクを以下に示します。
https://ja.wikipedia.org/wiki/%E5%88%BA%E6%BF%80%E4%BC%9D%E5%B0%8E%E7%B3%BB

ペースメーカーとして自律的に興奮するのが、右心房上部の洞房結節です。洞房結節で発生した興奮は、心房筋(心臓の上部全体)に伝わります。これにより心房が収縮します。心電図上における P 波が、この心房の収縮に対応します。

興奮は房室結節(心房と心室の境目。真ん中)に集まります。この部分の伝導速度が他と比べて遅いことにより、心房の収縮と心室の収縮に時間差がおき、スムーズに血液を送っていくことを可能にしています。

次にヒス束(真ん中から、真ん中の下まで)に興奮が伝わります。心室では左脚・右脚を通り、プルキンエ繊維 → 心室筋へと興奮が伝わり心室が収縮します。心電図上における QRS 波がこの心室の収縮に対応します。心電図の略図を下に示します。

心筋収縮の特徴として「心室にいっぱい血液が入ってくると、その分いっぱい押し出そうとして心室が強く収縮する」というものがあります。これをスターリングの法則と呼びます。たくさん血液が入ってくる → 心筋がより伸びる → 伸びた分強く収縮するという機構です。この法則に神経系は関与していないことがわかっています。

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