国家公務員総合職(化学・生物・薬学)R1年 問50解説

 問 題     

消化性潰瘍治療薬に関する記述㋐、㋑、㋒のうち妥当なもののみを全て挙げているのはどれか。

㋐ ファモチジンは、胃粘膜のエンテロクロマフィン様細胞の H2 受容体を遮断するほか、胃幽門部においてガストリン遊離を抑制する。
㋑ ランソプラゾールは、胃壁細胞の酸生成部位の Na+、K+ ‒ ATPase の活性を阻害し、胃酸分泌を抑制する。
㋒ スクラルファートは、胃液中のペプシンの活性を抑制するほか、胃粘膜に保護層を形成する。

1.㋐
2.㋐、㋑
3.㋑
4.㋑、㋒
5.㋒

 

 

 

 

 

正解.5

 解 説     

㋐ ですが
エンテロクロマフィン様細胞は、ヒスタミンを「貯蔵」している細胞です。「ガストリン刺激」により、ヒスタミンを放出します。放出されたヒスタミンが「壁細胞」の H2 受容体と結合することにより、胃酸が分泌されます。ファモチジンは壁細胞の H2 受容体遮断です。よって、㋐ は誤りです。

㋑ ですが
ランソプラゾールは、プロトンポンプインヒビター(PPI) です。PPI は、酸性条件下で不可逆的に 「+,K+-ATPase」を阻害します。Na+,K+ – ATPase ではありません。よって、㋑ は誤りです。

㋒ は妥当な記述です。

以上より、正解は 5 です。

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